大規模修繕の施工例
大規模修繕の施工例
大規模修繕工事はどのような事を行うかを実際の施工例で解説をしてまいりますので、ご覧ください
注意点
まず、施行時に気を付けなくてはいけない点があります
セキュリティー
足場を組み、普段は住民しか入れなかったマンション内に簡単に外部の人間が侵入できる環境になるので、外部の人間か、工事関係者かを明確に分類するため、工事関係者に腕章、ゼッケン等を付けると安全です。
広報
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大規模修繕工事の進行状況、注意点等を住民に周知する必要があります。これは、業者が掲示板を使っての通知に加え、大規模修繕委員会の広報担当者のきめ細かい住民同士のコミュニケーションが必要になります。
材料
施行に使う塗料等を荷姿の写真を確認することで正規の回数、正規の希釈で塗装したことを後から証明することができます。
それでは、実例で各部位ごとに施行を見てまいりましょう。外壁、階段・廊下この工事にはありませんでしたが、一般的にある屋上防水工事、タイル外壁の順でご覧頂けます。
施行前 ⇒ 施工後
施行前:経年劣化状態
完成
施行前:経年劣化状態
完成
建物診断
最初に行うことは、建物の診断です。 写真の棒の先に丸いものが付いているのは、パルハンマーと呼ばれる道具です。先の丸い部分は鉄球で、これで叩いて出る音で判定をするものです。 空洞の場合は打撃音が高くなります。
エフロ※の発生が著しい※コンクリート内部に染みこんだ雨水が水酸化カルシムを溶解し外壁クラック(ひび割れ)より染み出して大気中の炭酸ガスと反応硬化した状態
雨水が内部鉄筋を錆させ、膨張した鉄筋が壁を押し上げる浮き状態が多く、場所によっては爆裂落下している箇所が見受けられる。
床のモルタルが浮いています。
浮いた外壁は今後欠落し重大は人身事故に繋がりますので、事前に解体撤去します。
浮いた外壁は今後欠落し重大は人身事故に繋がりますので、事前に解体撤去します。
浮いた外壁は今後欠落し重大は人身事故に繋がりますので、事前に解体撤去します。
外壁下地補修
浮いた部分を排除してできた欠損部分にモルタルを入れて塗装したときに平面になるように補修をしていきます。
樹脂モルタル整形、欠損部分を埋めて平面化します
樹脂モルタル整形、欠損部分を埋めて平面化します
シール工事
外壁に窓等の建具が嵌めこまれていると、ぴっちりと隙間内容に見えますが、実は少し隙間を開けて嵌めこまれています。 これは、温度湿度により伸びたり縮んだりしてもぶつかり合いを防ぐためです。
この隙間を目地といいます。そして、このままですと雨が降ったときに雨水が侵入してしまいますので、これを防ぐために防水性で伸縮性のある樹脂を流しこんで防いでいます。 これをしーるといいます。
シールも経年変化で劣化し、防水機能がなくなってくるのでこれを交換しなければなりません。シール工事とは、劣化したシールを取り除き、新しいシールを充填する作業です。
なお、シール工事には劣化したシールの上に新しいシールを打つ『打ち増し』、劣化したシールを取り除き新しいシールを打つ『打ち直し』があります。もちろん、後者の方が望ましいのは言うまでもありません。 価格を抑えるために『打ち増し』をする場合もありますが、当サイトではおすすめしていません。
劣化したシールを撤去しています
プライマー塗装後、ノンブリードウレタンシール充填。露出箇所は変性シリコン使用。 シリコンシールは耐久性はいいのですが、塗料を弾いてしまうので、露出部には使えません。
注入工事
外壁等に浮き(外壁内に空洞ができること)が発生するとこの部分い雨水が侵入し、更にその空間が広がり最終的には剥離して落下、人命に損害を与える可能性も出てきます。この場合の責任は、管理組合になってしまいます。
これを防ぐためには、空洞の箇所をエポキシ樹脂を充填して防ぐ工事を注入工事といいます
エポキシ樹脂を注入しています
エポキシ樹脂を注後の様子
別の工事の写真ですが、エポキシ樹脂を注入するための穴をドリルで開けている様子です
別の工事の写真ですが、エポキシ樹脂を注入するため、ピンを打ち込んで入様子
外壁塗装
外壁塗装は、パターン付けした後下塗り、中塗り、上塗りの順で行います。 パターン付けとは、塗装の模様のことで代表的なパターンは『さざ波』、『ゆず肌』、『砂壁』等があります。
フィラーとは厚みのある下塗り材で、クラック等の割れが発生している場合に適しています。 弾性とは、伸びたり縮んだりしても破断しない特性で、塗膜の割れ、剥がれを防止する働きを持つ。
爆裂欠損箇所を樹脂モルタルで補修した跡を砂骨ローラーにてパターン付けします。
外壁全体を通常ローラーにて微弾性フィーラー下塗りを行います。
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外壁塗装は、パターン付けした後下塗り、中塗り、上塗りの順で行います。 パターン付けとは、塗装の模様のことで代表的なパターンは『さざ波』、『ゆず肌』、『砂壁』等があります。
フィラーとは厚みのある下塗り材で、クラック等の割れが発生している場合に適しています。 弾性とは、伸びたり縮んだりしても破断しない特性で、塗膜の割れ、剥がれを防止する働きを持つ。
水性弾性セラミシリコンの2回塗りを行う。
水性弾性セラミシリコンの2回塗りを行う。
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立樋
縦樋のサビを除去しエポキシ錆止めを施した後ダイなロックウレタンを塗装していきます
縦樋のサビを除去しエポキシ錆止め
ウレタン塗装していきます
避難ハッチ、非常ベルボックス
避難ハッチをウレタン塗装します
非常ベルボックスをウレタン塗装します
ベランダ
表層の不純物の除去、ブラシ掛け清掃を行います
プライマーを塗布していきます。プライマーとは、下塗り材の一種で、この場合は防水機能、下地と塗膜の接着を強化しています。サラセーヌPを使用、弾性があるタイプです。
保護トップ塗装
廊下、階段
既存シートの浮き部を撤去
下地を撤去した段差をモルタルを埋めこんで平らにします。これを一般的に左官するといいます。
欠けた段鼻(階段の一番先の滑り止めが付いている部分)を左官します
階段の左官完了
側溝・立上り防水、サラセーヌP塗装、濃い青の部分に雨水が躯体に侵入しないように防水塗料を塗っていきます
側溝・立上り防水、コーナー部、漏水危険箇所シール材を充填して雨水の侵入を防止します
カチオンタイト下地調整材塗布、セメント系カチオン性樹脂モルタルの下地調整材の事で高い接着力を持ちます
上も敷くマット、タキステップ専用のボンドを塗りこんでいきます
タキステップを廊下、階段に貼ることにより滑りにくくなり、歩行音を小さくする効果があります。また、段鼻部の色を変え、転倒事故の防止効果もあります。
あなたのマンションでもお使いになってみませんか?
タキステップ片面貼り込み
タキステップ圧着作業
防水工事
この施工では、防水シートが耐久年数を超過していましたが漏水がなかったのでメンテナンス塗装だけでした。 本格的な屋上防水を行った他の施工例で説明してまいります。
主に屋上とバルコニーに施工します。防水にも様々な防水工事の手法防水工事は、があります。その工法とその特徴は、以下のとおりです。
今回は、最も一般的なウレタン塗膜防水工事について、紹介致します。
アスファルト防水工事
アスファルトを溶かして、流しこみ、平にした上でモルタルを載せる方式です。信頼性がある工法なのですが、アスファルトを溶かすために260度にするため、かなりの臭がしますので大面積にしか使われません。 道路工事の時のあの臭いが嫌われているようです。
ウレタン塗膜防水工事
屋上、バルコニー、ルーフバルコニーなどの床に使われる工法で、
最も一般的に用いられる工法です。塗装による防水のため、複雑な形にも対応可能で、軽いため建物に負担を掛けない、安価というメリットがあります。
塗装の為、塗膜を均一にするのが難しいといったデメリットもありますが、これは職人さんの技量で解決できます。一般的にウレタン防水2層塗り、トップコートが一般的です。ウレタン塗装の前にAVシート(通気緩衝シート)を貼る場合もあります。
塩ビシート防水工事
塩ビシート防水工事とは、塩化ビニル樹脂で作られた防水シートを接着剤などで下地に貼り付ける密着工法と、ディスク板などで固定していく機械固定工法とがあります。
機械式の場合は、雨が降ったとでもすぐに施工できる特徴があります。この工法は、簡単に言うと塩ビシートを接着剤で貼る方式のため、施工性はいいが複雑な形の場合はその形に切り、熱風で一体化することで対応ができます。
FRB防水工事
FRBとは強化ガラズ繊維プラスティックのことです。プール、小型船舶の材料としても使われています。 工法はガラス繊維のマットを樹脂でサンドイッチしていく方式で、最近の木造住宅のベランダはほとんどがこの工法が使われています。
施工性がよく、信頼性が高く、仕上がりが綺麗という特徴があるが材質が硬いため割れる危険性がある。
シート防水工事
厚さ1.2mmのタイヤと同種のゴムシートを貼り、最後にトップコートを塗る防水工法です。伸縮性があり、軽量、安価という特徴があります。
屋上防水工事(ウレタン塗装通気緩衝工法)
この工法は、単純に素地にウレタンを塗装することに加え、1枚の通気性のあるシートを入れることにより下地からの水分を脱気塔より逃がすため、塗膜の防水層のフクレによる破断を防止する効果があります。
既存防水層撤去していきます
既存防水層撤去跡下地補修
笠木・立上りプライマー塗布、笠木とは塀、手摺、腰壁、パラペットなどの頂部に施工する仕上材。この場合は、屋上の壁の最上部の手すりの事です。外壁と違う色を使いアクセントカラーとして使うとオシャレです。
プライマーを塗っていきます(下塗りです)
通気緩衝工のAVマット貼り
ウレタン塗布1層目
ウレタン塗布2層目
脱気塔の設置、下地と防水層の間に溜まった水分、空気を排出して防水層の膨れによる破断を防止する
ウレタン塗装を行う
トップコート塗布、これを行うことで防水層の耐候性が増加します。
屋上防水工事完成
外壁タイル工事
今回の施工例は外壁が塗装で行いましたが、タイルの多くのマンションで使われています。ここでは、他の施工例よりご紹介します。
棒の先に丸い鉄球が付いているパルハンマーと呼ばれる道具を使いタイルを叩いてその音で浮き等を判定する。対策の必要なところをマーキングする。一般的にタイルでは先端が球タイプが使われ、コンクリート、モルタル用には一般のトンカチのような形のハンマーが使われる
浮いている箇所にはエポキシ樹脂を注入する為ドリルで穴あけを行う
注入器によりエポキシ樹脂を注入していきます
ひび割れたたいるを除去するためにカッターを入れる、この工程がキーンと大きな音を発生する工程です。 かなりの騒音ですが10年に1回、タイル落下に伴う事故防止のためには必要な作業です。
ヒビ割れたタイルを完全に取り除いていきます
撤去後の様子です
擬似タイル貼り付け及び目地つめを行う、次回の補修に備え余ったタイルは保存しておくと、次回役に立ちます