塗料樹脂の種類
塗料樹脂の種類
塗料には多くの種類があり、分類には原料別にするのが一般的です。よく、シリコン系塗料 というような言葉を耳にします。これを正確な言葉で表現すると、『塗料の80%を占める樹脂にシリコンが入っている塗料』ということになります。
これは、『りんごが入っているジュース』と言っているのと同じなのです。0.5%果汁でも、ストレートでも野菜ジュースの成分の1つとして入れられていても、どれも『りんごが入っているジュース』には変わりありません。
それと『シリコン系塗料』とはシリコンと他の材質を組み合わせているパターンが大多数です。例えば、正確にはシリコン・ウレタン塗料をシリコン系塗料と呼んでいます。 見積を取るときには『塗料名』の記入がなければ実は見積書になっていないのです。
見積書に記載されている塗料名で検索をすると、その塗料の詳細を調べることができます。これにも目を通しておくことをお勧めします。塗料のメーカーも数多いのですが、やはり大手5社が間違いありません。
ラインナップ、実験データの公開、技術の蓄積等より大手5社である関西ペイント、日本ペイント、エスケー化研、大日本塗料、中国塗料をお勧めします。
また、樹脂の特性も知っておくと参考になりますので、お目通しください。
アクリル樹脂
アクリル樹脂とは、アクリル酸、メタアクリル酸の誘導体を主成分とする重合樹脂のこと。
【特長】
1.耐候性 :透明度が高く、耐候性が優れている。
2.耐汚染性 :硬く、耐汚染性が優れている。
3.耐薬品性 :耐油、耐薬品性が良く、電気的性能も優れている。
4,弱点 :炭化水素系溶剤に溶けにくく、他の樹脂との相溶性もあ
まり良くない。
メラミン樹脂
メラミン樹脂メラミン樹脂とは、メラミン樹脂(メラミンとホルムアルムヒドとの縮合物)と、アルキド樹脂あるいは、アクリル樹脂を主成分とする熱硬化型塗料をいいます。
【特長】
1.相溶性 :芳香族炭化水素、エステル、ケトン、セロソルブ、アル
コールなど、ほとんどの溶剤に溶ける。アルキド、アク
リル、エポキシ樹脂など、ほとんどの樹脂とよく混ざ
る。
2.硬化性 :硬くて、脆い。低温(100℃以上)でスピード硬化す
る。酸硬化剤で常温硬化する。
3.経済性 :低コストでの生産が可能。
エポキシ樹脂
エピクロルヒドリンとビスフェノールAをアルカリ雰囲気で反応させることによって生成する化合物をエポキシ樹脂といいます。。塗料用の樹脂にするために、加熱乾燥型、二液乾燥型、酸化重合乾燥型がある。
【特長】
1.付着力 :付着力が強い
2.耐薬品性:耐水性、耐薬品性が優れる。
3.物理性能:硬くて、折り曲げ、磨耗性などが優れる。
4,弱点 :他の樹脂との相溶性もあまり良くない。
耐候性が悪く、紫外線で黄変・チョーキングする。
ポリウレタン樹脂
ポリウレタン樹脂とは、イソシアネート化合物とポリオール化合物の反応で硬化し、ウレタン結合を持つ樹脂をいいます。
【特長】
1.付着力:素材に強固に密着する。
2.耐候性:耐候性が優れ、耐久力も強い。
3.硬 度:硬く、耐汚染性が優れる。
4.耐水性:耐水、耐薬品が良く、電気的性能も優れる。
5,弱点 :アルコールを含むシンナーとの共用ができない。
水分とも結合する為、湿度の高い日は注意が必要
フッ素樹脂
樹脂を形成するポリマー分子中に、フッ素原子を含む樹脂を、フッ素樹脂といいます。
【特長】
1.長期耐久性:かけ離れた優れた耐久性(耐候性)
2.耐薬品性 :耐油、耐薬品性がよく電気的性能も優れている。
3.非粘着性 :表面の粘着力が少なく、物理性能も優れる。
4.発水性 :発水機能があり、着氷防止にも使われる。
5.耐汚染性 :汚染に対して強い。
6,弱点 :樹脂コストが高く、経済性では良くない。
高温焼付、二重混合型で、作業性が悪い。
シリコン樹脂
シロキサン結合 (-Si-O-Si-) を骨格構造にもつ合成樹脂.安定なために多くの目的に使用される.耐候性対費用で他の塗料に比べ断然優れているので現在の塗料の主力となっている。
【特長】
1.耐熱性 :耐熱性に優れる。(200度~650度)
2.耐候性 :耐候性に優れる。
3.耐寒性 :耐寒性に優れる。
4.電気絶縁性:電気絶縁性に優れる。
5.耐水性 :耐水性に優れる。
6,弱点 :密着性がやや劣る為、下地処理に配慮が必要である。
耐油・耐溶剤性が不足である。